服に使われる繊維は、大きく分けて 天然繊維 と 化学繊維 の2種類に分類できます。それぞれの種類と特徴を分かりやすく説明します。
2025年03月18日
- 天然繊維(自然界に存在する繊維)
① 植物繊維(植物由来で吸湿性が高い)
綿(コットン)
綿花から作られる
吸水性が高く、肌触りが柔らかい
シワになりやすいが、丈夫で耐久性がある
例:Tシャツ、シャツ、ジーンズ、綿パンツなど
麻(リネン・ラミー)
麻の茎から作られる
吸湿・速乾性が抜群で、夏に最適
シワになりやすく、チクチク感がある
例:夏服、スーツ、エコバッグなど
② 動物繊維(動物由来で保温性が高い)
羊毛(ウール)
羊の毛から作られる
保温性が高く、冬に最適
吸湿性もあり、汗をかいても蒸れにくい
例:セーター、コート、スーツなど
カシミヤ
カシミヤ山羊の毛から作られる
非常に柔らかく、保温性抜群
高級で手入れが必要
例:高級セーター、コート、マフラーなど
アルパカ
アルパカの毛から作られる
軽くて暖かく、チクチクしにくい
例:セーター、コートなど
モヘア
アンゴラ山羊の毛から作られる
シルクのような光沢がある
例:高級スーツ、コート、ニットなど
シルク(絹)
蚕(カイコ)の繭から作られる
なめらかで光沢があり、肌触りが良い
吸湿・放湿性が高く、オールシーズン使える
例:着物、ドレス、スカーフなど
- 化学繊維(人工的に作られる繊維)
① 再生繊維(天然素材を化学処理)
レーヨン(ビスコース)
木材パルプから作られる
シルクに似た光沢があり、ドレープ性が高い
水に弱く、シワになりやすい
例:ブラウス、裏地、ワンピースなど
キュプラ
コットンの種の周りの繊維(コットンリンター)から作られる
吸湿性が高く、裏地によく使われる
例:スーツの裏地、スカーフなど
リヨセル(テンセル)
木材パルプ(ユーカリなど)から作られる
環境に優しく、シルクのような光沢
例:シャツ、ワンピースなど
モダール
ブナの木から作られる
柔らかく、吸湿性が高い
例:インナー、パジャマなど
② 合成繊維(石油などから人工的に作られる)
ポリエステル
シワになりにくく、乾きやすい
丈夫で型崩れしにくい
例:スポーツウェア、Tシャツ、スーツなど
ナイロン
軽くて強く、摩擦に強い
伸縮性があり、速乾性も高い
例:ストッキング、水着、アウトドアウェアなど
アクリル
ウールの代用として作られた
軽くて暖かいが、毛玉ができやすい
例:セーター、マフラー、毛布
ポリウレタン(スパンデックス・ライクラ・エラスタン)
ゴムのような伸縮性がある
他の繊維と混ぜて使われることが多い
例:シャツ、ストレッチパンツ、水着、スポーツウェア、スーツなど
- 特殊繊維(機能性を持たせた繊維)
ゴアテックス(防水・透湿性)
水は通さず、汗の蒸気は逃がす
例:登山ウェア、レインコートなど
カーボン繊維(超軽量・高強度)
非常に強く、軽量
例:防護服、スポーツウェアなど
アラミド繊維(耐熱・防弾性)
高温や衝撃に強い
例:消防服、防弾チョッキなど
まとめ
繊維ごとに特徴があり、服の用途に合わせて適した素材が選ばれています。

