洋服リフォーム業界の歴史【中編】
2019年02月16日
洋
【洋服リフォーム業界の歴史(中編)】
昭和後半にはスーツの大量生産販売が全盛期となります。既製品が氾濫して洋服を仕立てる人は激減してしまいました。
洋服仕立業界は岐路に立たされました。
このまま仕立て業でいくのか、廃業して別の職に就くのか、洋服リフォーム業という新しい業にチャレンジするのか!
我が家のケースですが仕立業にこだわる祖父と洋服リフォーム業を行おうとする父との間で諍いが起こりました。
結局、父が反対を押し切り洋服リフォーム専門の店に改装してしまいました。
当時はまだ高飛車だった洋服仕立業界からみたら自分の作った服でなく他人の着た既製品の直しをやらなくてはならないこと、紳士服専門の職人が婦人服の直しなどやらなくてはならないこと、破れた服を直してほしいなどありえないような依頼にもこたえなければならないこと、様々な困難やストレスがあったと思います。我が家はたまたま母が婦人服専門だったので紳士服、婦人服、両方直せる洋服リフォーム店としていきなり大繁盛しました。
時代はこの洋服リフォーム業を待っていたのです。瞬く間に全国各地にお店がたくさんできてきました。
父はというと毎日朝から夜まで針を持って仕事していた頃と全く変わり、職人を雇ってお店を任せ、チェーン展開する事になりました。急に羽振りがよくなり生活も全く変わっていきました。
時代はバブル経済!
洋服リフォーム業も繁盛して職人上がりのにわか経営者がたくさん出てきました。
父は仕事をしなくてもお金が入るようになり、お酒の量が増えてついに体を壊してなくなってしまいました。(詳細省略)
この事を契機に私は希望していた警察官の道をあきらめ家業を継ぐ事になりました。
体育会系大学だったので洋服や洋裁のことを学ぶための学校と経営の事を学ぶための専門学校を急遽二つも行き卒業後、直ぐに会社に入りました。繁盛していたのでいきなり青年実業家気取りでした。
この繁栄が衰えるなどとは夢にも思っていなかったのです。
ところが時代はさらに移り変わる事になるのです。