働き方改革と日本経済の行方(後編)

▷▷▷前編は読んでいただきましたでしょうか?

この度の後編はさらに具体的に過去と現状を説明し復活のための提案をさせていただきます

衣類のメンテナンス業界、洋服のリフォーム業界だけではなく、ほぼ全ての業界で技術者不足と言われている昨今ですがもちろん理由は勉強経験努力不足からですよね

では、それを補うためには何が必要か?ズバリ

「時間」です

この時間を誰が負担するか?企業?個人?

今からいくつか例をあげます

私の祖父や父は洋服の仕立て業を目指すために「丁稚奉公」をして1人前の職人になるための教育を受けました、もちろん無給で食べさせては頂き雑用や下仕事をしながら技術を教えてもらう職人育成方法ですこれを2年から4年ぐらいしてから一人前の職人として扱われるようになりした

今では考えられないと思われるかもしれませんが多くの業種でこのようなことが普通に社会的に行われていました

だから、多くの技術者が育ち戦後から日本経済が一気に復興していきました

この度の働き方改革、時短推奨社会において、この人材育成は中小企業ではほぼ不可能だと思います。ということはとにかく簡単に覚えられる技術のみを優先し、本格的な技術を用しなくてもできるサービスを追求するようになります

当然、サービスの質は低下し、世界的競争力は失い。日本経済はますます低下してくるでしょう

そんな最中、希望もあります!

私が帰社する21時〜22時位にいつも店は閉まっていても中で電気がついていて十数名の人がいるチェーン店の美容院がありました

話を伺ってみると新人が集まってベテランの人に教えてもらっている勉強会を毎晩やっているらしいです。しかも自主的ですから無給で率先して行っているとのことです

また、私の開催するレッツリフォーム講習会に毎回会社から受講料を交通費ももらわず、自分のためと自費で勉強に来られる受講生さんも少なからずいらっしゃいます

さらに私が主催するリフォーマーオンライン講座も自費で受講し自分の勤める会社やお店のために頑張る人たちもいます

会社で使うスキルは会社が負担し、社員の育成をすべきだという考えはもちろんあります

しかし、その身につけたスキルは永遠に会社のものですか?その人が辞めたら会社は大損だけでなくライバルを育成してしまうことになります

さらにそれが当たり前だと思った人はそのことに対する感謝もなく仕事をします、だけでなく、仕事に対する価値観も希薄なものになります

さらにその人が独立したら同じことをしなければならないですよね、これはものすごく資本力のある会社しかできませんから、必ず途絶えるシステムです

大手、経営にゆとりのある企業しか人材育成できないシステムは今後そのような会社は全ての業種でなくなってくるので、この過保護人材育成方法はなくなってくる、すなわち、日本経済は奈落の底に落ちていくということになります

このことがわかれば、どうすれば日本経済は復活していくかがわかると思います

人材育成は?費やす時間も費用も個人負担にすべき!

その代わり、その個人の技術価値を重んじ優遇する企業姿勢を貫く方針が必要だと思います

誰でもできる技術ならAIまたは低賃金労働者が担うことになってしまうと思います

これからの社会で役立つ将来性のある技術を選定し自らの時間とお金を使って、自分の将来のために技術を身につけ磨いていくことがその本人のため、そして日本経済復興の鍵だと思います

だから結論は働き方改革が全てではなく

【個人が努力する働き方改革】が必要だと思います

AIやDXの時代だと言われますが、その技術を高めていくためにもこの【個人努力働き方改革】が必要になります

私の所属するファッション、メンテナンス業界、洋服リフォーム業界はまさにこれが全てです、これができなければ社会から淘汰されていくでしょう、何が何でもやらなければいけません

これで日本経済は復活する!だろうか?