クリーニング業界がアパレル業界の品質向上を促した。でも今は?

私がクリーニング業界に関わるようになったのはもう30年以上前、その頃、クリーニング事故で最も多かったのはほつれや破れ、裂けたなど縫製不良から起こる事故でした

しかし、今ではアパレルメーカーの品質向上でかなり減ってきています

この理由を私は所々で聞いて知っています

昔は事故があるとすぐに個人、大手問わずクリーニング屋さんからアパレルメーカーに電話でクレームが入ったそうです、しかも怒鳴りつけてくる人も多かったそうです

でも当然ですよね、メーカーの指示通り洗って破れてお客様から怒られるのはクリーニング屋さんですから被害者です、怒って当然、正当なクレームだと思います

アパレル業界も真摯に受け止め、縫製不良が起こらないように努めてこられたので消費者からも信頼が高まり、クリーニング事故も減りました

では30年経ってクリーニング事故は減っているのでしょうか?

実はほとんど減っていません。それは

新たなクレーム事故が増えたからです

もうこのブログを読んでくださっている方はお察しの通りだと思います【ポリウレタン絡みの事故】が多発しているからです

伸縮素材、防寒防風防水素材、各種コーティング、ボンディング加工、シームレス加工、合成皮革、天然繊維にもポリウレタン樹脂混入生地は一般品だけでなくハイブランド品にもたくさん混入、使用されています

ポリウレタンは他の素材に比べ著しく寿命が短かく劣化のサインが分かりにくいものも多いのでクリーニング事故になる確率が高いです

目に見えなくてもポリウレタン入り繊維は

必ず変形してくるので、新品の時買ったかっこいいスーツも数年でヨレヨレになってきます

昔ならクリーニング屋さんがすぐにメーカーに

「指示通り洗ったのにこんなになった!こんなものを作ったお宅にも責任があるはず!何とかしてください!」

と電話していたことでしょう

しかし、ほとんどないそうですね

クリーニング屋さんがおとなしくなってしまったという理由も確かにあると思います

しかし本当はポリウレタンのことよく知らない。自分にも責任があるのではないかと思ってしまっているからだと思います

法律では洗ってしまったらクリーニング屋さんのせいになるそうですが

メーカーのケアラベルの指示通り、洗って事故にあっても100%クリーニング屋さんの責任にさせられている法律自体がおかしくはないですか?

普通に考えて、そのようなリスクもある品であることを伝えていないメーカーにも問題があるのではないでしょうか?

消費者にもメリットだけ伝えて、短期寿命品であることを伝えていないのは問題だと思います

クレームがきていないからとこのポリウレタン衣類の普及は加速しています

これを止めることができるのは、メンテナンス業界であるクリーニング業界しかないと思います

または消費者がポリウレタンのことをよく知って、混入品を買わないようにする以外にはないと思います

これだけsdgsとかサステナブルが叫ばれている社会において本来は30年以上保つ衣類を5年前後の寿命にしてしまう製造行為は時代錯誤、反社会的だと言わざるを得ないです

メーカー様あってこそのメンテナンス業ではありますが

人類持続可能な社会のためには改善をお願いいたします

クリーニング業界の皆様もポリウレタンのことをしっかり学び、事故にあったらしっかりと報告していくべきだと思います。それが自業を守ることだと思います

サステナブルファッションにはポリウレタンの問題は絶対に克服していかなければならないことだと思っています

現状の様々な事故をご覧ください

これをスルーしていてよいのでしょうか?